自然湧出量は1日に約5,300万リットルで日本一を誇る草津温泉。湯温は「湯畑」で約55℃、源泉によっては94℃もあります。またpH2.1を割るほどの強い酸性なので、湯につけた五寸釘は5日で半分以下、12日目には針金のように溶けて細くなってしまいます。困ったことに歯が蝕まれてしまう人が多く、人口8,000人強の町に、歯医者さんが3軒もあります。
草津温泉では、刺激的な名湯を味わうための独特な入浴法が生まれました。
「時間湯」は江戸時代から伝わる入浴法。高温泉の特性を活かし温泉療法として考え出されました。この入浴法は1日4回行われ、入り方を指導する湯長の号令の下、時間を3分に区切って入浴します。幅30センチ、長さ180センチほどの板で「湯もみ」(写真)をして温度を下げ、湯を柔らかくします。作業は20分〜30分かかるので、高温浴の苦行に耐えうる体力も同時に養えます。
「湯もみ」のときに歌われるのが草津を代表する民謡、草津節(ドッコイショ)、草津湯もみ唄(ヨホホイ)、草津小唄(ヨイトサノサ)の3種類です。これらを総じて湯もみ唄とされています。
外湯の一つ「熱の湯」では、湯もみと踊りをショーとして披露しています。湯もみの体験コーナーもあり、草津の伝統文化を肌で感じることができます(有料)。 |