ベテランともなれば店との阿吽の呼吸で楽しみますが、さてスナック初心者はどんな作法を覚えるべきでしょうか。
まず知っておきたいのは「スナックの法はママ」ということ。ママは船のキャプテンのごとく、みんなの安全を図りつつ目指すべき港を示してくれます。このことを頭に入れておきましょう。出来たてホヤホヤの新規店から、昭和開店のキャリア30年を超える店までありますが、長年続くお店のママはおしなべてしっかりしていますし、何らかの魅力を持っています。常連さんたちと良い関係を築いて、誰でも居心地のいいオーラで店を満たします。ここは客側も場を作ることに参加する意識が多少なりとも必要でしょう。ママが回す接客術に乗っかって、お酒や会話を楽しんだり、常連さんとの間に生まれる交流を楽しんだり。大人の社交術を磨くには最適の場です。
「常連さんはスナックの財産」ということも知っておくべきイロハです。お店が長く続くためには常連さん達のひいきが必要で、ママ達はそれを肝に銘じています。だから酔いに任せて傍若無人に振る舞って、常連さんが居心地が悪くなるような態度はしません。最初は様子を見ながら、そしてやがて生まれる「ママや常連さんと一緒にお酒を楽しむ家族的な連帯感」。ここまでたどり着けば、スナックの魅力の核心に近づいてきたといえます。
「世に悩み事の種は尽きまじ」。仕事、家庭、恋愛、交友関係などのお悩み相談は、スナックの専門領域です。なんならお酒をいただきながら治療を受けられるという一挙両得の空間です。酸いも甘いも噛み分けるママが、時に聞き役になり、時にカウンセラーになってくれます。もちろん混雑時には無理だから、暇な時間を狙ってください。場合によってはママの相談役に回ることもありますが、それも貴重な体験。誠意を持って対応しましょう。
ビジネスでの利用なら、取引先はもちろん、部下を連れて、あるいは同僚と訪ねてみてはどうでしょうか。基本スナックの宣伝法は口コミや紹介なので、新規さんを連れて訪ねれば、ママは喜ぶしウインウインの状況です。接待費が削減される昨今、庶民的なスナック利用はお勧めです。
さて女性です。女性一人やグループでは、お色気で売るお店や、女性スタッフが多いお店は利用しづらいでしょう。やはりママがメインのお店が狙い目です。ママ相手に恋バナというのは定番。女性の人間関係にも精通しているので、この手の話もOKです。割安の女性用セット料金を設定しているところもあるので、要チェックです。
そして女性に人気なのが「おかまスナック」です。男女両性の気持ちが分かる最強ママが、時に女性の立場から共感、時には男性目線で駄目出しと、変幻自在に相談に乗ってくれます。ここならば、心の鎧を脱ぎ捨てて自分をさらけ出せるでしょう。男女比率で女性の方が多いというお店もあります。
【 取材:2018年9月 】 ※掲載時より内容が変更になっている場合がございます。お出かけ前にオフィシャルサイトやお電話で詳細をご確認ください。