広瀬川美術館

時が止まっている館内

今は昔に比べ何もかも便利になり、美しいものも又失われてしまいました。自然、信仰そして人の心。
広瀬川美術館は、訪れる人の心に美術を通して、癒しと安らぎをもたらしたいと想っています。前橋が”戦後流れて来た軌跡”でもある館内を散策すると“空間に堆積した時間”と“在り続けてきた物”とが訪れる人の心のどこかに共振し、魂の密度をこくしてくれるはずです。
借景とする街の移ろい、緑の影、そして広瀬川の流れが訪れる人に“生きてゆくに相応しい時とは何か”を感じさせ、癒しと安らぎを伝えます。何故なら、訪れる人は水とともに流れて止まぬものこそ自分であることを知るからです。

歴史のある建物

前橋出身の心象画家・”近藤嘉男”のアトリエ、絵画教室として昭和23年(1948)戦後まもなくに建てられました。その後修復され、平成9年(1997)には美術館として一般開放され、平成11年には、国登録有形文化財に登録されました。戦後の建造物としては、この美術館の建物が全国で第１号の登録です。また、建物の周囲との調和とその維持管理の体制を評価され、まえばし都市景観賞も受賞しました。

広瀬川美術館は、現代的な息吹を感じさせる木造建築物であり、正面の広々とした窓ガラスは、アトリエの機能だけでなく、外部への開放性を備え、外観のシンプルな造形美をも高めています。